先生は勢いよく、お茶碗の上にお箸を置いた。

「もう、先生。うるさい。」

「うるさくて結構。俺はオヤジなんだろ?」

そう言って、先生は私に向かってベーッと舌を出した。


それを見て私は、近所の悪ガキを思い出した。

本当、忙しいな。

私の脳みそ。


「なんか……」

「あ?」

「先生、子供みたい。」

「子供!?」

私がお茶碗とお皿を持ってキッチンへ行くと、先生もお茶碗とお皿を持ってついてきた。

「オヤジの次は、ガキかよ!!」

「もう、それっぽく見えただけだってば。」

シンクの中に持ってきた物を入れると、蛇口をひねった。


スポンジに洗剤を染み込ませて、お皿を洗う。

「はい。先生のもここに置いて。」

「うん……」

そして先生が置いたお茶碗とお皿も、一緒に洗う。


こういう時、お母さんのお手伝いしててよかったなって思う。

「おまえ、皿洗えるんだ。」