問題の夜になった。

先生の手料理を食べて、一緒にTVを観て、順番にシャワーを浴びるところまではよかった。

髪を乾かして、先生がいるベッドに向かった。


「藤沢、あのさ……」

「はい。」

先生はゴクンと息を飲んだ。

「俺、ソファで寝るからおまえ、ベッドを使え。」

「えっ!」

先生はそう言って、枕を持った。

「……一緒に寝ないの?」

私は先生のシャツの袖を掴んだ。


胸がドキンドキンなる。

「行かないで、先生。」

震えた声で言った後、そっと先生を見上げた。


先生の瞳に、私が映っている。

心臓がもっとうるさくなる。

「藤沢。」

「は、」

返事をしようとしたら、逆に先生に唇を塞がれた。


先生の舌が、私の舌と絡まる。

「……ん」

経験した事のないキス。


大人のキスだ。


しばらくして先生の唇が離れる。

「おまえさ……俺の理性、信じ過ぎ。」