「そっか……しない時もあるんだね。」

「そりゃあ、そうさ。不特定多数の女と子作りしなきゃならんかったら、毎日励むかもしれんけどな。」

私は、先生をじっと見つめた。

「こりゃ失敬。時代が違うな。」

先生は私に手を合わせて謝ると、またペンを持って物語を書き始めた。


それを見て、私は寝室に入る。

少しだけ扉を開けておいた。

執筆している先生が、いつでも見られるように。


肝心の私は、欠伸を一つしてベッドに横になった。

海に行った日から、先生は私を抱いていない。

知らない間に、私の横で眠りにつき、朝目覚めるとスヤスヤと寝息をたてている。

先生は、Hしない時だってあるって言ったけど、ここに来てから一週間。

先生に抱かれない日はなかった。

多い時には朝もして、それでも足りない時は、昼間も先生としていた。

それを考えると夜、先生に抱かれないで寝るなんて、火照る体をもて余すしかない。