「レベル1000……?」
「おおざっぱに言うと、普通の人間ならレベル1から5くらいまで、戦士や騎士みたいな戦いを生業とする者たちで10から30くらいまで、70以上は歴史に名を残す勇者や英雄くらいだね」
竜王が説明する。
「じゃあ、俺のレベル1000っていうのは──」
ひょっとして、いやひょっとしなくても人外クラスじゃねーか!?
「あははは、レベル操作を一桁間違っちゃったんだよね」
頭をかく竜王。
「正確に言うと、君はもともとレベル1で、そこに僕がレベル999の力を与えたんだ。1+999=1000が今の君のレベルってわけ。いやー、強すぎだね。あははは」
笑いごとじゃないと思うんだが。
とはいえ、そのレベル1000の力がどれくらいのものなのか……興味はある。
「試してみる? 軽く」
竜王が笑った。
「祠の外に出よう」
誘われて、俺は竜王とともに祠から出た。
外には小さな庭があり、その向こうが俺の自宅だ。
「まずは身体能力テストだね。軽くジャンプしてみて」
「ジャンプ?」
俺は言われた通りに、軽く地面を蹴った。
「っ!? ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
軽い!
体の重さをまったく感じない。
そのまま俺はとんでもないスピードで上昇していく。
「えっ? えっ? えっ? 何これ何これ何これ何これぇぇぇぇぇぇっ!?」
あっという間に数百メートル上空まで到達した。
そこから、一気に自由落下。
「ひいいいいいっ、こんな高さから落ちたら死ぬ! 絶対死ぬっ!」
俺は恐怖にひきつりながら、両足から着地した。
骨が折れ、衝撃で体中が砕け──ん?
「あれ、なんともない……?」
まるで数十センチ飛んで着地したかのように、ほとんど衝撃を受けないまま、俺は普通に着地していた。
痛みもまったくない。
「軽く跳んだだけでそれかー。思った以上に強化されてるね」
と、竜王。
「じゃあ、次は攻撃力のテストだ。ちょっと待ってね、今テスト用にあれを出すから──【移送】」
竜王が呪文を唱えた。
次の瞬間、俺の目の前に巨大な岩が現れる。
「これを殴ってみて」
「殴るって……」
「君の、けた外れのパワーが実感できるよ。きっと」
竜王はニコニコ顔だ。
「ジャンプの次は大岩を殴るのか……」
まさか──パンチ力もけた違いにアップしてるんだろうか。
とはいえ、仮にそうだとしても思いっきり殴ったら俺の手も大ダメージを負う可能性がある。
「とりあえず、軽く……」
俺は力を込めず、コツンという感じで岩に拳を当てる。
どごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
大音響とともに、岩が爆発するように砕け散った。
「……………………は?????????????????」
な、なんじゃ、こりゃあああああああっ!?
翌日、冒険者学校──。
俺はワクワクした気持ちで登校した。
昨日は興奮のあまり、よく眠れなかった。
寝不足のはずなのに、思いっきり目が覚めている。
「楽しみだ」
口元に自然と浮かぶ笑み。
「なんだよ、ニヤけやがって。今日も気持ちわりーな、オッサン」
さっそくというかジェイルが声をかけてきた。
「おはよう」
俺は余裕で笑みを返す。
もう馬鹿にされることはない。
されたって、返り討ちにしてやる。
俺の心は、絶対の自信に満ちあふれていた──。
※ ※ ※
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「おおざっぱに言うと、普通の人間ならレベル1から5くらいまで、戦士や騎士みたいな戦いを生業とする者たちで10から30くらいまで、70以上は歴史に名を残す勇者や英雄くらいだね」
竜王が説明する。
「じゃあ、俺のレベル1000っていうのは──」
ひょっとして、いやひょっとしなくても人外クラスじゃねーか!?
「あははは、レベル操作を一桁間違っちゃったんだよね」
頭をかく竜王。
「正確に言うと、君はもともとレベル1で、そこに僕がレベル999の力を与えたんだ。1+999=1000が今の君のレベルってわけ。いやー、強すぎだね。あははは」
笑いごとじゃないと思うんだが。
とはいえ、そのレベル1000の力がどれくらいのものなのか……興味はある。
「試してみる? 軽く」
竜王が笑った。
「祠の外に出よう」
誘われて、俺は竜王とともに祠から出た。
外には小さな庭があり、その向こうが俺の自宅だ。
「まずは身体能力テストだね。軽くジャンプしてみて」
「ジャンプ?」
俺は言われた通りに、軽く地面を蹴った。
「っ!? ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
軽い!
体の重さをまったく感じない。
そのまま俺はとんでもないスピードで上昇していく。
「えっ? えっ? えっ? 何これ何これ何これ何これぇぇぇぇぇぇっ!?」
あっという間に数百メートル上空まで到達した。
そこから、一気に自由落下。
「ひいいいいいっ、こんな高さから落ちたら死ぬ! 絶対死ぬっ!」
俺は恐怖にひきつりながら、両足から着地した。
骨が折れ、衝撃で体中が砕け──ん?
「あれ、なんともない……?」
まるで数十センチ飛んで着地したかのように、ほとんど衝撃を受けないまま、俺は普通に着地していた。
痛みもまったくない。
「軽く跳んだだけでそれかー。思った以上に強化されてるね」
と、竜王。
「じゃあ、次は攻撃力のテストだ。ちょっと待ってね、今テスト用にあれを出すから──【移送】」
竜王が呪文を唱えた。
次の瞬間、俺の目の前に巨大な岩が現れる。
「これを殴ってみて」
「殴るって……」
「君の、けた外れのパワーが実感できるよ。きっと」
竜王はニコニコ顔だ。
「ジャンプの次は大岩を殴るのか……」
まさか──パンチ力もけた違いにアップしてるんだろうか。
とはいえ、仮にそうだとしても思いっきり殴ったら俺の手も大ダメージを負う可能性がある。
「とりあえず、軽く……」
俺は力を込めず、コツンという感じで岩に拳を当てる。
どごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
大音響とともに、岩が爆発するように砕け散った。
「……………………は?????????????????」
な、なんじゃ、こりゃあああああああっ!?
翌日、冒険者学校──。
俺はワクワクした気持ちで登校した。
昨日は興奮のあまり、よく眠れなかった。
寝不足のはずなのに、思いっきり目が覚めている。
「楽しみだ」
口元に自然と浮かぶ笑み。
「なんだよ、ニヤけやがって。今日も気持ちわりーな、オッサン」
さっそくというかジェイルが声をかけてきた。
「おはよう」
俺は余裕で笑みを返す。
もう馬鹿にされることはない。
されたって、返り討ちにしてやる。
俺の心は、絶対の自信に満ちあふれていた──。
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