「へっ!? ひあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 マナは戸惑い声だ。

 彼女の中に竜王の力の一部が流れこんでいるのだった。

「ふうっ……マナに『力』を与えたんだけど、分かるか?」
「えっ? えーっと……」

 マナは自分の体をしげしげと見下ろしていた。

「なんだか、力がみなぎってくるような……」
「【鑑定】で確認してもいいか?」
「うん、どうぞ!」

 マナがうなずく。

「【鑑定】――」

――――――――――――
名前 マナ・スカーレット
種族 :人間
レベル:3→8
体力 :12→32
筋力 :9→24
速度 :15→40
スキル:【上段斬り】
   :【下段斬り】
   :【剛剣】
     ↑
     new!
――――――――――――

「お、ちゃんとレベルが上がったぞ。スキルも増えてるな」

 俺は彼女の新しいステータスを確認してうなずいた。

「えっ、あたし、強くなったのかな?」

 と、マナ。

「試しに剣を振ってみてくれ」
「じ、じゃあ……」

 マナがすらりと剣を抜いた。

「素振り……いっきまーす」

 上段に振りかぶる。

「えいっ」

 ぶんっ!

「おお、なんか鋭い振りだぞ!」
「本当? じゃあ、もうちょっと……」

 えいっ、えいっ、と素振りを始めるマナ。
 剣で風を切る音が小気味いい。

「どうだ、マナ? 前とは違う感じか?」
「うん、何回やっても全然疲れない」

 マナが振り返って笑った。

「あたし、腕力上がってるかも」
「おお、よかった」

 とりあえずパワーレベリング成功だ。

「さっきはお試しだったけど、今度はもう少し『力』を注いでみるか?」
「いいの?」
「マナさえよければ」
「じゃあ、お願いできるかな? えへへ」

 嬉しそうに近づくマナ。

「あたし、強くなれるんだ……」

 目がキラキラしていた。




※ ※ ※

この後、20時過ぎにもう一話投稿します。今日からは一日複数回投稿の予定です(グラスト大賞の規定で月末くらいまでに8万字以上とうこうしなきゃいけないので……)