暗黒竜王から『パワーレベリング』を教わってから三日が経った。
どうも、この術式は人間にいきなり試すのは難しそうだ。
実際、リンだって俺に対して失敗してるわけだしな。
……まあ『レベルを一桁間違えた』って単なるうっかりミスのような気もするが。
とにかく、微妙な調整が必要な術式みたいだ。
モンスターが相手なら、人間にパワーレベリングするよりも簡単みたいなので、まずは手ごろなモンスターを探して練習させてもらうことにした。
で、その日の放課後、俺は演習に使うソロ用のダンジョンに入った。
ここには初級のモンスターが何種類か生息している。
「さて、どいつがいいかな……」
きゅいいいっ。
という鳴き声とともに、前方からスライムが現れた。
「お、こいつでいいか」
全長三十センチくらいの、小さなスライムだ。
透き通っていて、綺麗な緑色をしていた。
「……待てよ。パワーアップさせた上に、俺に襲い掛かってきたらどうしよう?」
わざわざ敵を強化するようなもんだよな。
きゅいい。
小さく鳴きながら、スライムが俺の足下にまとわりついた。
モンスターとは思えないほど可愛い。
なんか懐かれてるみたいに思えるな……。
「なあ、今からお前を強くしたいんだけど、いいか? あと、俺を襲わないでくれよな?」
きゅいい……きゅい、きゅい。
一瞬、戸惑ったように動きを止めた後、スライムは左右に跳ねまわった。
もちろんモンスターの言語なんて分からない。
ただ、こいつは俺に敵意がないように思える。
パワーレベリングについても了承してくれている――ように感じるのは、さすがに俺の気のせいだろうか。
「いいか、スライム?」
きゅいい。
「うん、了承してもらったことにするぞ。じゃあ――【レベルアッパー】」
俺はさっそくパワーレベリングの術式を発動した。
【レベルアッパー】……その名の通り、対象のレベルを引き上げる術だ。
俺の右手から放たれた光がスライムを包んだ。
しばらくの間、スライムの全身が輝くオーラに包まれ、やがてその輝きが消えた。
「これでスライムのレベルが上がった……のかな?」
俺はスライムをまじまじと見つめる。
ぐににに。
体をくねらせながら、スライムが俺の周囲をぴょんぴょん跳んでいた。
「もしかして喜んでるのか? あるいは、俺に礼を言っているとか?」
ぐににに。ぴょんぴょんっ。
「はは。なんか可愛いな、こいつ」
思わずほっこりしてしまった。
「スライム、どれくらい強くなったんだろう?」
俺は【鑑定】スキルを発動した。
ちなみにレベル1000なので、俺は色んなスキルを習得している。
この【鑑定】もそうなんだけど、今まで使いそびれていて、今回が初使用だ。
――――――――――――
種族:スライム
レベル:1→10
体力 :40→400
筋力 :0→0
速度 :20→200
スキル:【変形】
【分裂】
↑new!
【溶解】
↑new!
――――――――――――
「お、これがこいつのステータス内容か」
レベルは指定通りにちゃんと10になっていた。
この表示を見ると、最初から持っていたスキルが【変形】で、レベルが上がったことで【分裂】と【溶解】を身に付けた、ってところか。
どうも、この術式は人間にいきなり試すのは難しそうだ。
実際、リンだって俺に対して失敗してるわけだしな。
……まあ『レベルを一桁間違えた』って単なるうっかりミスのような気もするが。
とにかく、微妙な調整が必要な術式みたいだ。
モンスターが相手なら、人間にパワーレベリングするよりも簡単みたいなので、まずは手ごろなモンスターを探して練習させてもらうことにした。
で、その日の放課後、俺は演習に使うソロ用のダンジョンに入った。
ここには初級のモンスターが何種類か生息している。
「さて、どいつがいいかな……」
きゅいいいっ。
という鳴き声とともに、前方からスライムが現れた。
「お、こいつでいいか」
全長三十センチくらいの、小さなスライムだ。
透き通っていて、綺麗な緑色をしていた。
「……待てよ。パワーアップさせた上に、俺に襲い掛かってきたらどうしよう?」
わざわざ敵を強化するようなもんだよな。
きゅいい。
小さく鳴きながら、スライムが俺の足下にまとわりついた。
モンスターとは思えないほど可愛い。
なんか懐かれてるみたいに思えるな……。
「なあ、今からお前を強くしたいんだけど、いいか? あと、俺を襲わないでくれよな?」
きゅいい……きゅい、きゅい。
一瞬、戸惑ったように動きを止めた後、スライムは左右に跳ねまわった。
もちろんモンスターの言語なんて分からない。
ただ、こいつは俺に敵意がないように思える。
パワーレベリングについても了承してくれている――ように感じるのは、さすがに俺の気のせいだろうか。
「いいか、スライム?」
きゅいい。
「うん、了承してもらったことにするぞ。じゃあ――【レベルアッパー】」
俺はさっそくパワーレベリングの術式を発動した。
【レベルアッパー】……その名の通り、対象のレベルを引き上げる術だ。
俺の右手から放たれた光がスライムを包んだ。
しばらくの間、スライムの全身が輝くオーラに包まれ、やがてその輝きが消えた。
「これでスライムのレベルが上がった……のかな?」
俺はスライムをまじまじと見つめる。
ぐににに。
体をくねらせながら、スライムが俺の周囲をぴょんぴょん跳んでいた。
「もしかして喜んでるのか? あるいは、俺に礼を言っているとか?」
ぐににに。ぴょんぴょんっ。
「はは。なんか可愛いな、こいつ」
思わずほっこりしてしまった。
「スライム、どれくらい強くなったんだろう?」
俺は【鑑定】スキルを発動した。
ちなみにレベル1000なので、俺は色んなスキルを習得している。
この【鑑定】もそうなんだけど、今まで使いそびれていて、今回が初使用だ。
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種族:スライム
レベル:1→10
体力 :40→400
筋力 :0→0
速度 :20→200
スキル:【変形】
【分裂】
↑new!
【溶解】
↑new!
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「お、これがこいつのステータス内容か」
レベルは指定通りにちゃんと10になっていた。
この表示を見ると、最初から持っていたスキルが【変形】で、レベルが上がったことで【分裂】と【溶解】を身に付けた、ってところか。