「ごめんね、社長の本心確かめたいの、時間ちょうだい」

「わかった」

俺はちょっと不安だったが、これ以上はつばさを無理やり社長から引き離す事は出来ないと思った。

しばらくして、つばさから連絡があった。

つばさは傷心しきった様子で、口を開いた。

「目黒くん、婚約者のことは本当だった、でも待って欲しいって」

「目を覚ませよ、婚約者がいるのは紛れもない事実だろ」

「うん」

俺は大きくため息をついた。

「ごめんね、もう、私のことは放っておいて」

「そんなこと出来るかよ、つばさは俺がどんな気持ちかわからないだろ」

俺はつい、熱くなった、このまま抱きしめてすぐにでも、俺のものにしたかった。

でも、つばさの気持ちは社長にある、そんな状態では俺が嫌われる。

落ち着け、いつもの俺はこの場にはいなかった。

どうした?いつもの俺は駄目となったらあっさりと手を引く。

なのにつばさの事になると、一生懸命が顔をだす。

俺には似合わない言葉だ。

つばさは誰にも渡したくない、たとえ全ての彼女と引き換えても・・・