朝、会社に行って、つばさに昨日アパートに行けなかった事を謝った。

「つばさ、昨日は行けなくてごめん」

「大丈夫だよ」

「今晩行くから」

「うん」

つばさは社長のことは俺に話さなかった、俺も敢えて確かめる事はしなかった。

この俺が他の男の存在を気にするなんて、俺の人生の中では無かった感情だ。

午後になると、社長とつばさが昼休みに一緒に食事をしたとの情報が入ってきた。

俺はつばさに確かめるべくつばさを呼び出した。

「つばさ、昼休み社長と食事したって、もっぱらの噂だけど本当なの」

つばさは答えに困っている様子だった。

そこに社長が姿を現した。

「つばさと昼休み一緒に弁当を食べた、デートにも誘っている、何か問題あるか」

問題あるかって?大いに問題あるだろう。

つばさは俺の彼女だ、しかも昨夜アパートで時間を過ごし、今日は昼休み弁当食べて、デートにも誘ってるだなんて・・・

俺だってつばさとデートしてないのに・・・いろんな感情が俺の中で渦巻いていた。

「つばさは俺の彼女なんで手を出さないでください」

「彼女らしい事してから言って欲しいな」

俺の気持ちも知らないで勝手な事言うなと心の中で叫んだ。