マンションに戻ると、つばさはすぐに眠りについた。

しばらく寝入っていた、まるでこのまま神に召されるのでは無いかと思う位に。

「つばさ、目を覚ましてくれ、まだ、お前に会えた嬉しかった事、俺の人生で今まで気づけなかった気持ちがあった事、いろいろまだ話したい事いっぱいあるんだよ、つばさ、つばさ」

俺は人生において初めて泣いた、兄貴に恋人を取られた時も、お袋に邪険にされた時も、負けず嫌いの俺は、決して涙を流す事は無かった。

これほど女を愛したことも・・・

つばさ、俺、これからお前のいない人生をどう過ごしたらいいんだよ、教えてくれ、つばさ。

その時、つばさが目を覚ました。

「つばさ、大丈夫か」

「侑斗、いやだ、なんで泣いてるの?」

「泣いてなんかいねえよ、目から汗が出たんだよ」

「そうなんだ」

つばさはニッコリ微笑んだ。

「ずっと寝てるから、もう起きないのかと心配したぞ」

「そう? そんなに寝てた? 夢見てた、侑斗が後ろ向いて私の前からいなくなっちゃうの、侑斗って呼んでも振り向いてくれなくて・・・」

「夢だな、絶対にあり得ねえことだから・・・」

つばさは手を俺の頬にあてて「侑斗、大好きよ」そう言って、また眠りについた。

「つばさ、つばさ」

何度呼んでもつばさは目を開ける事はなかった。