俺は兄貴に連絡を取った。

「兄貴? 侑斗だけど」

「お前何やってる、すぐに対応しろと言ったはずだ」

「つばさはそこにいるの?」

俺が何も言わないのに、つばさの身に何かあったとわかってる言い方だった。

「ああ、つばさちゃんは俺を訪ねて来た、不幸中の幸だ、何処に行ったかわからない可能性だってあったんだからな」

「ありがとう、助かったよ」
俺は兄貴に感謝してた。

「やっぱり、俺のこと疑ってる感じ?」

「いや、お前の妻でいる事に自信無くなったそうだ、ひと回り以上年上で、いつ病気が再発するか分からなくて、妻としての責任も果たせないから、お前が若い子に気が入っても仕方無いと言っていた」

「これから迎えに行くよ」

「いや、今晩は俺が預かる」

「つばさは俺の妻だ、行くから」

「侑斗、ちょっと待て、侑斗」

俺は兄貴の問いかけを無視してつばさの元に急いだ。

「つばさ、つばさ、迎えに来たよ、どこにいる?」

「侑斗」

「つばさ、帰ろう、あの記事は出任せだから、つばさを裏切る様な事はしてない」

「でも、私は・・・」

「俺を信じろ、つばさは俺の命だ、俺の側にいるだけでいいんだ」

「侑斗」

俺はつばさとマンションへ戻った。