つばさの容態は中々安定しなかった。

精神的に俺が現れなかったあの一週間が大きかったと兄貴は指摘する。

俺は毎日病室に顔を出した。

「つばさ、どう? 今日さ、取引先のお偉いさんが、随分とお若い社長さんだななんて言うから、ちょっとムカッとして、顔に出したら、役員連中にどやされた」

つばさは黙ったまま俺に背を向けたままだった。

「つばさも俺に対してムカッとしてるのか」

つばさはちょっと身体が反応した。

俺はつばさの肩を掴み、俺の方に向かせた。

そして「ごめん、許してくれ、つばさに笑顔がないと、俺まで落ち込むから」

そう言って許しをこう。

俺に顔を向けた状態になったつばさは、俺の首に手を回し、抱きついた。

「侑斗、ごめんね、だって一週間も来ないから、嫌われたと思ったの」

「そんなわけないだろう、つばさの事は嫌いにならないよ、仮眠のつもりが朝になっちゃって初日は慌てたよ、でも、何処かで絶対につばさは許してくれるって、甘い考えがあったのは事実だな」

「そんな事言われたら、何も言えないじゃない、ずるいよ、侑斗は」

「つばさ」

俺はつばさにキスをした。