俺は忙しく、マンションに戻ると、仮眠のつもりが朝まで寝入ってしまい、そのまま仕事へ行くと言う毎日が一週間続いてしまった。

入院して二週間経った時、つばさの病室へ一週間ぶりに行く事になった。

「つばさ、ごめん、忙しくて来ることが出来なかった」

「大丈夫」

つばさの顔から笑顔は消えていた。

「侑斗、大丈夫だから、もう病院へ来なくていいよ」

「何言ってるんだ、この一週間は仮眠取ったら朝まで寝ちゃって、だから、ちゃんと来るよ」

「だから来なくていいから、侑斗のお荷物になりたくないの」

つばさは珍しく声を荒げて俺に食ってかかった、そしてタオルケットを頭からかぶり、

「もう、帰って」と俺に気持ちをぶつけた。

「つばさ、ごめん、また明日来るから」

つばさは黙ったまま答えなかった。

俺はその足で兄貴の元に向かった。

つばさの様子が知りたかった。

「兄貴、つばさの様子はどうかな」

「お前一週間つばさちゃんを放って置いてどう言うつもりだ」

兄貴は珍しく、真剣な表情で俺を睨んだ。

「別につばさを放って置いたわけじゃない」

「毎日顔を出さなければ、病院へ入れて自分は放って置かれた、お荷物だと感じても何も言えないぞ」

「つばさと話したのか」

「ああ、退院して、お前とは別れるって言ってたぞ」

「マジか、やばいな」

「お前が薬なんだ、良く考えろ、つばさちゃんを放っておくんじゃない、手放すつもりが無いなら、毎日来い」

俺は兄貴に説教されて考えを引き締めた。