それからしばらく、また忙しい日が続いた。

つばさの体調は安定していた。

しかし、何をやるにもすぐに疲れが出て、体調の悪化に繋がる。

何もしなくていいと言っても、つばさは俺の妻の役割を果たそうと動いてしまう。

ある日、兄貴にその事を相談すると、しばらく入院した方がいいとのアドバイスを貰った。

その事をつばさに話すと、つばさは悲しそうな表情を見せた。

「侑斗、私が入院したら侑斗のお荷物になっちゃう」

そう言って、つばさは泣き出した。

俺はつばさを抱き寄せた。

「そんな事はない、つばさには一日でも永く生きてて欲しいんだ」

「毎日病院に来てくれる? 他の人が侑斗の側にいるなんて事にならない?」

「バカだな、そんな事あるわけないだろう」

つばさは俯いていた。

「ごめんなさい、変な事言っちゃったね」

俺はつばさにキスをした。

そしてしばらく入院する事になった。

毎日病院に行くと言う約束は、入院して一週間で破ることになった。

「侑斗、やっぱり私はお荷物なんだね」

つばさは元気がなくなっていった。

俺が毎日つばさの側にいる事が、つばさにとって何よりの薬だとは、この時は気付く事が出来なかった。