「つばさ、兄貴が子宮全摘出の手術をした方が、万が一の時のためにいいと提案してくれたんだが、つばさとよく話し合ってと言われた」

「子宮全摘出?そうしたら子供は産めないよね」

つばさは俯いて悲しそうな表情を見せた。

「でも、少しでも命が延びれば一緒にいられるだろ」

「でも、侑斗と一緒にいるためには、子供産めないんじゃ私は意味がないでしょ」

「そんな事ないよ、二人で生きていけばいいじゃん」

俺はどんな事になってもつばさと一緒にいたかった。

「侑斗、手術受けるかわりに、私と離婚して」

俺は思いがけない言葉に戸惑った。

「な、何を言ってるんだ、どうして俺とつばさが別れないといけないの」

「侑斗は目黒コーポレーションの社長を継がないといけない人だから、健康で丈夫な赤ちゃんを産んでくれる奥様を選ばないと駄目よ」

「なんでそうなるんだよ、俺にはつばさと言う奥さんがいるじゃないか」

「私、役立たずだから」

「つばさと別れるんなら、俺、目黒コーポレーションの社長を継がないよ」

「侑斗」

「つばさはずっと俺の奥さんだからな」

俺はつばさを抱き起こし、抱きしめた。