俺は自分の気持ちに戸惑いを感じた。

つばさは今までの女と違うと感じ興味があった。

それに初めての年上と言う事もあり、すぐに大人の付き合いを出来ると思っていた。

ところが経験が無いのか、顔が近づいただけで真っ赤になったり、抱き寄せただけで恥ずかしがったりと、ウブな部分が俺を惑わす。

全く調子が狂ってしまい、キスまでどれくらいかかるのか、予想がつかない。

この日も食事が終わり、俺は上手く行けばキス以上の関係を気づけると踏んでいた。

つばさが後片付けをしている後ろから、声をかけた。

「つばさ」

つばさは俺の方に振り向き、俺を見つめた。

「目黒くん、まつげ長いね、それに凄くカッコいい顔立ちしてるね」

「そうかな」

「そうだよ、若い女の子は皆、うっとりしちゃうんじゃない?」

「つばさは?」

つばさは不思議そうな表情で俺を見つめた。

今がチャンス、つばさの肩を引き寄せ、顔を近づけた。

その時ぴーとお湯が沸く音がして、つばさは「コーヒー飲むでしょ?」とはぐらかされた。

でも、このつばさとの時間が、何故か心地よいと感じている俺がいた。

不思議な気持ちのまま、この日は飯食って、喋って、終わった。