兄貴の言うことは当たっていた。

数日経ってからつばさの担当医から、病院へ来るように連絡があった。

つばさはやはり命に関わる病気だった。

手術で腫瘍を取り除いても、必ず助かるとは言えないと・・・

俺は目の前が真っ暗になった。

なんでだよ、こんな事ってありかよ。

でも、不安に思っているつばさの方が辛いよな。

案の定、つばさは気づき始めていた。

「侑斗、先生の話ってなんだったの?」

「手術した方がいいって」

「そうなんだ」

つばさの俯いた顔から笑顔が消えていた。

「私、いつまで生きられるの」

俺はつばさの急な言葉に狼狽えてしまった。

「侑斗、嘘つけないんだから」

「そんな事ないよ、手術すれば治るって」

つばさは俺の背中に手を回し、ギュッと抱きしめた。

「つばさ」

「侑斗、ありがとうね」

つばさは俺にキスをした。