侑斗の病室へ急いだ、きっと侑斗は心配しているだろうと思った瞬間、廊下に侑斗の姿があった。
私は思わず駆け寄った。

「侑斗、駄目でしょ、病室を出てうろうろしてちゃ、また傷口が開いちゃうよ」

「つばさ、大丈夫だった? 何もされなかった?」

「大丈夫よ、まさかいきなり襲わないでしょ?」

侑斗は傷口を押さえて苦悶な表情を見せた。

「侑斗、早く病室へ戻りましょう」

そして、侑斗と私は病室へ戻った。

「侑斗はちゃんと先生の言う事を聞かなくちゃ」

「あんなヤブ医者の言う事聞いてられるかよ、話ってなんだったの」

侑斗は心配そうな表情で答えを待っていた。

「結婚するの?って聞かれたから、まだわかりませんって答えて、後、食事に誘われた」

侑斗はビックリして慌てていた。

「断ったよね」

「大丈夫よ、失礼のない様に断ったから」

侑斗は安堵の表情を見せた。

そして私の腕を掴み、引き寄せた。

「つばさ、結婚しよう」

私はちょっと戸惑いの様子を見せた。

何故なら、侑斗は次期社長が決まっているからだ。