俺はしばらく入院する事になった。

つばさは毎日来てくれた。

兄貴はつばさに声をかけるチャンスを狙っていた。

「侑斗、鷹見先生が話があるって事だから、外科医局に行ってくるね」

「話?つばさ、気をつけろよ、二人になるなよ」

「大丈夫よ、侑斗は心配し過ぎよ、それほど私は魅力的じゃないし、俺にも選ぶ権利あるって言われるよ、それに侑斗が大好きだから大丈夫よ」

「つばさはわかってないんだ、どれだけ魅力的だか」

「じゃあ、行ってくるね」

俺は心配で堪らなかった。

つばさを信じてないわけじゃないが、無理矢理キスされたりしたら、つばさは俺に申し訳ないと離れて行くタイプだからだ。

俺はじっとしていられなかった。
その頃つばさは外科医局のドアをノックした。

「どうぞ」

「失礼します」

「鷹見真斗です、侑斗の担当医を務める事になりました、よろしく」

「立花つばさです、よろしくお願いします」

「侑斗と結婚するの?」

「まだわかりません」

「プロポーズされてないの?」

「あのう、プライベートのお話なら、侑斗さんが一緒の時に伺います、失礼します」

「待って、今度食事でもどうかな」

「すみません、お断りします」

私はすぐに外科医局を後にした。