「大丈夫、大丈夫、じゃあまた明日の朝来るね」

「ああ、なるべく早くな」

私は病室を後にした。

マンションに向かって歩いているのに、中々たどり着かない。
やっとの思いで部屋に着いた。

急に涙が溢れて私は声を上げて泣いた。
どうして、どうしてこんなに早く、颯を連れて行っちゃうの?

神様、私の命を半分颯に上げて、お願い、そうしたらもう少し一緒にいられる、これから先何も望まないから、だから……颯……を連れて……行かないで……

ああっ、はやて、やだ、いやあ。

私は一晩中泣きあかした。
泣いても泣いても、涙が止まらない。

白々と辺りが明るくなり、一睡も出来ないまま朝を迎えた。

ヤバイ、ひどい顔、一晩中泣きあかしたから目は腫れ上がり、すごい顔になっていた。
タオルを冷やし、暫く顔に当てていた。

もう病院行かないと、颯が心配しちゃう。
私は病院に泊まる準備をして、颯の元に急いだ。

病院に着くと、颯は眠っていた。
私は颯の手を握り、じっと見つめていた。

「凛、おはよう」