「颯が好き、颯の側にいたい、アパート解約するから、廉のことは本当に終わった事だから……」

「凛」

彼は納得していない様子だったが、なんとか説得に応じてくれた。

「祐くんにアパート解約して颯のマンションで暮らす事言わないと……」

私は彼の答えを待った。

「そうだな、祐には俺から話すよ」

「お腹空いたね、夕飯作るね、一緒に食べよう」

「ああ」

それから私は夕飯の支度を始めた。
今日のメニューは肉じゃがとほうれん草と玉子のソテーにみそ汁にした。

「どう?好みの味付けがわからないから、美味しい?」

彼は一つ一つ口に運び、「美味い」と言ってくれた。

「凛は料理上手だな」

「良かった、祐くんも褒めてくれたんだよ」

「そうか」

この日の夜は彼のマンションに泊まった。
でもくっついて寝ただけで朝を迎えた。


俺はなんて意志薄弱なんだ。
凛の為に別れる決意をしたのに、あっさりと凛を部屋に招き入れ抱きしめてキスをしてしまった。

凛は俺の事を好きだと言ってくれた。