「凛、今日は久しぶりにアパートでゆっくり寝た方がいいと思う、気をつけて帰ってくれ」

そしてインターホンは切れた。
えっ、どう言う事?

またインターホンを押した。

「はい」

「颯さん、開けてください」

「悪いが帰ってくれないか、あっ、そう言えば昨日祐から連絡があった、了解しておいたからよろしく頼む」

またインターホンが切れた。
私は拒絶されてる、どうして?

その時俺は我慢していた、今すぐにでもオートロックを開錠して凛を招き入れ、抱きしめたい気持ちで一杯だった。俺は凛との別れを決意していた。

凛、俺はやはり自分のわがままを押し通せない、
お前の側にずっと寄り添ってやる事が出来ないから。

俺は凛の同情を利用しちゃ駄目だよな。
自分だけ側にいて欲しくて、一年後には消える事わかっているのに結婚なんて……凛を一人にするなんて……
それより俺さえ我慢すれば、凛は嫌な思いをしないで済むんだから。

インターホンが鳴った。
凛だった。