俺は凛と手を繋いだ。
凛に触れていたかった、凛に触れていると安心する。

「颯さん、私と手を繋いだりして大丈夫ですか」

「何の問題もないよ、俺達結婚するんだから」

「えっ?」

「あっ、俺、凛に振られたんだっけ」

凛はどう答えればいいか困っていた。


ある日祐くんから連絡が入った。

「凛ちゃん、今度凛ちゃんのうちに泊まりに行ってもいい?」

「祐くん、それは構わないけど、ちゃんとお祖母様とパパに了解得てからね」

「お祖母ちゃんにはちゃんと言ったよ、後パパだね」

その頃まだアパートは解約しておらず、丁度助かったと思った。
でもこのままにしておくわけには行かず、今晩祐くんから連絡が入る旨を彼に伝えた。

「祐くんが今度私のアパートに泊まりたいとの事です、颯さんに了解得る為連絡してくるって言ってましたよ」

「そうしたら、その日は凛はいないって事か」

「そうなります」

「アパートは解約してなかったんだ」

「はい」

彼はちょっと寂しそうな表情を見せた。