私はびっくりし過ぎて、次の言葉が出てこなかった。

「そんなに驚く事じゃないだろう」

「でも、いろいろな事が一片に起こったので頭が回りません」

彼は私を引き寄せて抱きしめた。

「じゃあ、まず引越しだな」

「でも、祐くんはどうするんですか」

彼はしばらく考えて、言葉を発した。

「凛と二人がいいな」

彼の言葉にドキンと鼓動が跳ね上がった。
次の瞬間彼は苦しそうに顔を歪めた。

「大和さん、大丈夫ですか」

「大丈夫、心配いらない」

私はドキドキと心臓の鼓動が早くなり、死への恐怖が強くなった。
手が小刻みに震え、涙が溢れて来た。

「凛?」

「ごめんなさい、大和さんの方が大変なのに……」

私は彼の苦しそうな顔を見ただけで、完全に取り乱してしまった。

「あの、私、帰ります」

そう言って、ドアの方へ歩き出した。
彼は慌てて後を追って私を背中から抱きしめた。

「凛、行かないで、俺の側にいてくれ」

そして私を自分の方へ向かせて唇を重ねた。