「ごめんなさい、私大和さんのわがままは聞く事が出来ません」

凛はそう言い残し、俺の元を去った。
俺は凛を追いかける事が出来なかった。

私はショックが大きすぎて何をどうすべきなのか考えが纏まらなかった。

大和さんは私に対して本気って事?
結婚したいと思ってくれている?
祐くんのママになってほしいって事?
でも大和さんは一年の余命宣告を受けている、だから一年しか一緒にいられないって事?
その後祐くんを頼むって事?
そして私の気持ちは大和さんに向いていないと思い込んでいるって事?

一度に押し寄せて来た事を処理し切れない自分に戸惑っていた。
彼が一番辛いのに、私を信頼して全てを話してくれた彼を一人置き去りにしてしまった。

どうしよう、彼の元に戻る?このまま離れる?
このまま彼とずっと会わずに過ごせるの?
でも一年後にやってくる永遠の別れに耐える自信が無い、いや今も既に彼と会わずに過ごせない、急に彼が心配になり、戻る事にした。

タクシーで彼のマンションに向かった。