「あっ、違います、あのう、スマホを届けに来たんですけど……」

「あっ、少々お待ち下さい」

しばらくして一人の男性がやって来た。

めっちゃイケメン、かっこいい、私はしばらく見惚れていた。

「涼風 凛さん?」

「あっ、そ、そうです」

「お忙しい所ありがとうございます」

「いえ」

なんてかっこいいの?この世のものとは思えない位目鼻立ちが整っている、ずっと見ていられると思った。

「あのう、スマホいいかな」

「あっ、そうでした、スマホ、スマホ」

私はバッグをガサガサと引っ掻き回した。

「ポケットに入ってるのがそうだと思うけど」

「えっ?ポケット?」

私はポケットに手を突っ込んだ。
あった、スマホ。

「すみません、ありました」

私はそう言って彼にスマホを手渡した。

「ありがとう」

彼は笑いを堪えている様だったが、耐えきれず大声で笑った。

「ごめん」

「いえ」

「すっごく可愛い」

何この人?からかってるの?

「それ、失礼だと思います」