「ちゃんとお断りします」
スマホは切れた。
その夜、スマホが鳴った、大和さんからだった。
「凛?遅くにごめんね、明日、十時位に凛のアパートに迎えに行くから」
彼の声にドキンと鼓動が跳ね上がった。
駄目、駄目よ、断らないと。
「明日用事が出来てしまって、行けなくなりました」
「彼とデート?」
「そ、そうです、この間連絡しないですっぽかしてしまったので、怒られてしまいました」
「そうなんだ」
「あのう、もう合わない方がいいと思うので、私の連絡先削除してください、じゃ」
私は彼の返事を聞かないうちにスマホを切った。
「凛」
スマホは切れた。
凛が言っている彼の事は嘘だとすぐに分かった。
どうして俺と距離をおこうとするんだ、二度目のキスには手応えを感じたのに……
近づいたと思うと離れて行く、凛は何故俺の腕の中で大人しくしていないんだ。
どうしたら、俺を好きになってくれる?
こんなにもお前が愛おしいのに……
「うっ、薬」
俺は慌てて薬を飲んだ。