大和さん、声を聞いただけでドキッと心臓が跳ね上がった。

「はい、今開けます」

ドアのロックを開錠した。

「大和さん、お仕事お疲……」

とそこまで言いかけた途端、手を引き寄せられて抱きしめられた。

「大和さん?」

「凛、会いたかった」

その時祐くんが目を覚まして、私達の姿を見た。

「パパ」

祐くんの声を聞いて、私は慌てて彼から離れた。

「祐くん、目が覚めたの」

「うん」

「パパ、あのね、凛ちゃんの事ずっと好きだよね」

「ああ、好きだよ」

「他の人好きにならないよね」

祐くんは何を言い出すのかと思い焦りを隠す事が出来なかった。

「祐くん!」

「凛以外好きにならないよ」

「パパ、僕ね、凛ちゃんにママになって欲しいんだ」

祐くんの突然の願いに彼の反応が気になった。

「祐、その願いを叶える為には、凛にパパを好きになって貰わないと駄目だ」

えっ?私は既に彼に心を奪われていた、でも彼はその事を知らない。

「凛ちゃん、パパの事好きだよね」