楽しかった、あっと言う間に時間が過ぎて、車で送って貰った。

「今日はご馳走様でした」

「すっごく楽しかった、やっぱり思った通りだったな」

私は彼の話に相槌打っていただけなのに、何がそんなに楽しかったのかわからない。

「来週の火曜日俺のマンションに来いよ」

えっ?マンションって、ちょっと待って、いきなりハードル高過ぎでしょ?

「いきなり襲ったりしないから大丈夫だよ、でも……」

でも何?

「我慢出来なかったらごめんね」

えっ?、そんな事言われて行ける訳ないでしょ
もう顔が真っ赤になるのを感じた。

「凛、ほんと、可愛いなぁ」

彼は私の腕を引き寄せて抱きしめた。




その夜、私はドキドキして全く寝付けなかった。
わかってる、彼は若きイケメンカリスマ美容師である、彼が私に本気である訳がない事を……
でも、彼とのキスは唇に残ってる。

過去にも私はイケメン御曹司と恋に落ちた。
結婚しようと言ってくれた、しかし、私に対して本気ではなかった。