この子はほんとに子供なの?
そう言えば朝から違和感を感じていた、それが何なのか分からなかった。
でも、この時感じたのはこの二人全然似てない。
顔立ちも立ち振る舞いも性格も親子には程遠い。

「凛、ご飯食べに行こう、リクエストは?」

「あっ、祐くんは何食べたい?」

「僕は好き嫌い無いから、パパは玉ねぎとピーマン食べられないからパパがいつも何処に行くか決めるんだよ」

「おい、祐、凛にばらすな、かっこ悪いだろう」

「パパ、それなら好き嫌い無くさないと駄目だよ」

「しょうがねえだろ、食えねえんだから」

この二人親と子が逆転してる。私は思わず笑ってしまった。

一日遊んで疲れたのか、帰りの車の中では、祐くんはすっかり寝てしまった。
彼はバックミラー越しに私に話しかけて来た。

「凛、今日はサンキューな、久しぶりに祐を遊びに連れて行く事が出来た」

「私も楽しかったので大丈夫です」

「あのさあ、さっきの俺は本気だから」

「さっきの?」

「俺、凛と結婚したいって言っただろ」