それは、古代文字や難しい文字は無く、いくつもの写真が貼られていた。

ページを捲る。

次のページも、次のページも、様々な写真が貼られているだけだった。

すぐにそれが、写真アルバムだとわかった。

写真のどれもに、男の子の人物が写る。

一ページ目では幼少期。

ページを捲る毎に成長していく。

その人物の成長記録があった。

ページを捲る手が震える。

ぐらぐらと熱い何かが、喉元へ込み上がる。

ページを捲る手が止まった。

そのページには、文字が記されていた。

「アー、お誕生日おめでとう」

小学生の頃の人物と誕生日ケーキが写る写真に文字が添えられていた。

この人物が、アーと言う人のようだ。

それを知った瞬間、視界が、ぐわんぐわんと大きく回転し、めまいが起きた。

不意に現れた目眩と強い吐き気がもよおす。

写真アルバムが手から離れて、床に落ちた。

何度吐いても、唾液と胃酸が出るだけだった。

「あー!」

私は、叫んだ。

「あー!」

噴火して、マグマがどんどん噴き出すように、制御が出来なかった。

「あー!」

唾液と胃酸が混ざった、よだれを噴き出して、叫ぶ。

口から、だらだらと、よだれが垂れる。

何度叫んだだろう。

声も枯れている。

叫び声が止まると、次第に、笑いが込み上がる。