テレビが映しているのは、何やら映画のようだ。

薄暗い監獄。

真っ直ぐに続く廊下の左右には、牢屋が連なっている。

その牢屋を男性が歩いている。

画面は三人称視点で、男性の背から映している。

時折、湿気で画面が白くぼやける。

画面が切り替わり、一つの牢屋を映す。

その牢屋の内側から、橙色の明かりが漏れている。

その明かりが廊下を朧げに照らす。

その牢屋の中には、娘と同じ位の年齢だろうか、幼女が居た。

明かりは、ランタンの灯りだった。

うずくまり、身を固くしている。

その前に立つ、一人の男性。背格好が先程の男性に似ている。

映像は、その男性を背から映している。

男性は、腰を締めていたベルトを取り、鞭のように持つ。

そして、そのベルトを幼女に打ち付ける。

幼女は唇を噛み、声を殺して耐えている。

しかし、ベルトを打ち付ける度に、幼女の目が虚ろになる。

遂には、意識を失い、生気が抜けたように倒れた。

幼女が倒れると、男性は手を止めた。

幼女の両膝と頭に腕を通して抱きかかえる。

牢屋の中の薄汚れているベッドの上に横にした。

映像は、男性を正面から映す。

男性の顔にランタンの明かりが当たる。

右半面が暗くて見えない。

男性は、一つニヤリと口角を上げた。

徐に、ポケットから、注射器を取り出した。

異様に長い針を幼女へ挿した。

映像は男性を映しているので、どこに挿したのかはわからない。

何やら透明な液体が注射器に溜まっていく。

注射器一杯にすると、幼女から注射針を抜く。

満悦した表情を浮かべて、その溜まった液体を見ている。