「わーっ!」
 そのとき、周りから歓声が上がった。
 見上げると、ひときわ大きな火球が空を流れていた。

 わたしたちは寄り添ったまま、切れ間なく流れる星の軌跡を見つめつづけた。

 それからしばらく、星は降りやまず、辺りは興奮状態に包まれていた。
「すごいね」
 これなら、いくらでも願いごとができそうだったけれど、もう必要なかった。

 これ以上、願うことなんて、何もない。 
 



「今日、気持ちを伝えるつもりじゃなかったんだけど」
 帰りの車のなかで、シド兄は言った。
「本当はエイミーが高校を卒業してからと思っていたんだ」
 わたしは運転する彼の腕にそっと触れた。
「わたしは、今日告白するって決めてた」
「そっか」