彼女の名は東田沙奈絵。
ピアノ講師をしている母方の従姉だ。
会うのは3年ぶりぐらいだった。
今、26歳で、わたしと8歳違い。
それなのに子供のころ、親戚の集まりなんかで会ったとき、嫌がらずにチビのわたしといつでも遊んでくれた。
従姉妹のなかで1番仲良しの、大好きなお姉さんだった。
「婚約者の小坂くん。おじさんに紹介しようと思って一緒に来てもらったの」
沙奈絵ちゃんの横に座っていた男性が、軽く会釈した。
背の高い、眼鏡をかけた真面目そうな人だ。
「商社に勤めてるんだ」
「そうなんだ。へえ、結婚するんだ、おめでとう」
「ありがとう」
沙奈絵ちゃんは幸せそうな笑みを浮かべた。
「従妹の江海ちゃん。今、高校……」
「3年です」
「もう3年生か。こんなとこで油売ってていいの?」
「うちの高校、受験は関係なし」
「あ、そうだったね」
ピアノ講師をしている母方の従姉だ。
会うのは3年ぶりぐらいだった。
今、26歳で、わたしと8歳違い。
それなのに子供のころ、親戚の集まりなんかで会ったとき、嫌がらずにチビのわたしといつでも遊んでくれた。
従姉妹のなかで1番仲良しの、大好きなお姉さんだった。
「婚約者の小坂くん。おじさんに紹介しようと思って一緒に来てもらったの」
沙奈絵ちゃんの横に座っていた男性が、軽く会釈した。
背の高い、眼鏡をかけた真面目そうな人だ。
「商社に勤めてるんだ」
「そうなんだ。へえ、結婚するんだ、おめでとう」
「ありがとう」
沙奈絵ちゃんは幸せそうな笑みを浮かべた。
「従妹の江海ちゃん。今、高校……」
「3年です」
「もう3年生か。こんなとこで油売ってていいの?」
「うちの高校、受験は関係なし」
「あ、そうだったね」