10月に入ると、体育祭や文化祭などの行事が目白押しで、学校に居残ることが増えた。
そのぶん『オレアンダ』に行く回数も減っていた。
その日は朝から雨で、放課後に予定されていた体育祭の練習が延期になった。
終業ベルが鳴り終わるのとほぼ同時に、わたしはいそいそとシド兄のいる店へと向かった。
ドアの前で傘をたたんでいると、中から談笑する声が聞こえてきた。
なんだ、お客さんいるのか。
ちょっとがっかりしながら、わたしはドアを押した。
ドアベルの音に反応して、カウンターに座っていた女性が振りむいた。
わたしは思わず大きな声をあげた。
「さーちゃん!」
「わー、江海ちゃん? ひさしぶり。すっかりお姉さんになって」
そのぶん『オレアンダ』に行く回数も減っていた。
その日は朝から雨で、放課後に予定されていた体育祭の練習が延期になった。
終業ベルが鳴り終わるのとほぼ同時に、わたしはいそいそとシド兄のいる店へと向かった。
ドアの前で傘をたたんでいると、中から談笑する声が聞こえてきた。
なんだ、お客さんいるのか。
ちょっとがっかりしながら、わたしはドアを押した。
ドアベルの音に反応して、カウンターに座っていた女性が振りむいた。
わたしは思わず大きな声をあげた。
「さーちゃん!」
「わー、江海ちゃん? ひさしぶり。すっかりお姉さんになって」