私の頬が濡れているのを見た耀子は驚いた様子で「どうしたの?」と訊いた。
耀子にそう訊かれた私は「なんでもない、ただ目にゴミが入っただけ」と言った。
松尾……。
私は一生……。
君のことを……。
君のことを……忘れられそうにありません……。
この先、どうしたらいいのかわからないけれど……。
わからないけれど……。
……私……頑張るよ……。
何をどのように頑張ればいいのか。
今は、まだわからないけれど……。
とりあえず頑張ってみるよ。
松尾……。
ありがとう……。
なんだかよくわからないけれど、心の中で松尾に『ありがとう』を言わずにはいられなかった。
君のことを想うことは辛いことの方が多かった……。
だけど幸せな気持ちにもなれた。
本当にありがとう、松尾。
そして……お幸せに…………。
*end*
『本当は好きなのに』を読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、本当は好きで好きでたまらないのに素直になることができなかった一人の高校生の女の子のストーリーにしようと思いました。
本当は好きなのに素直になれない。それはとても辛いことだと思います。
もしあのとき、こうしていてば……。
そんな後悔の気持ちを抱えたまま生きていく辛さ……。
でも後ろばかり向いているわけにはいかない。
ほんの少しでも前を向いて歩いていこう。
そういう気持と闘いながら生きていく姿。
でも、きっと、そういう気持ちと闘っていくうちに、また一回り成長できるのかもしれません。
そんな遥稀の姿をみなさんに読んでいただけたことをとても嬉しく思います。
そして少しでも遥稀の感情に入り込みながら、このストーリーを読んでいただけたとしたら幸いです。
それでは、最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。
☘