『列車』は鉄道の形をしていることからそう呼ばれる。ロケットだった時は火星へ行くまで片道二年の長旅だった。そのため閉鎖空間で異文化間のトラブルが起きやすく、それぞれ国ごとで違うロケットを飛ばすようになった。いつの間にかワープが開発されて格段に便利になった今では、一瞬でたどり着けるわけではないけれど、ずいぶん短縮された期間で行けるようになったのだ。

「救助隊の連絡網で拾ってきた情報」

 吐きだされた煙は畳の部屋の真上に広がり、特に上昇もせず、ふっと消えた。

「わたしが社会活動してるのは、こういうためだよ」

 おばあちゃんはゆっくりとわたしに向き直った。くっと口の端を上げ、いつもの強気で皮肉屋な顔を見せた。

「それでこそ私の孫だ」

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 暑くても死にはしない。真の敵は寒さだ。大昔の地球人は夏よりも冬の方を恐れていたらしい。さっきの言葉は何世紀も前の地球人が残した格言。時代も人もこんなに変わるんだね。誰にも聞かせないひとりごとを、心の中でつぶやいた。

「ひかり」