「柚葉、そろそろ植木はやめて。名前で呼んでよ」
「名前で……?」
「り、くくん」
名前を呼んだだけなのにドキドキする。なんでだろう……和樹くんのことを呼ぶのは普通なのに。
「何があった? さっきも遅かっただろ」
「あれは本当に迷子になって」
「……言いたくないなら無理には聞かんけどさ、言いたくなったら頼って」
璃空くんは「あれ食べたい」と言い、出店で売っているチュトリスを買って来てくれて一緒に食べた。
だからか、私はさっきの出来事を葉月のことを考えずに済んだ。
その後、舞美ちゃんたちが戻ってくると集合時間までアトラクションや美里さんたちに渡すお土産を見たりして過ごした。