私はボストンバックを開けると、服と教科書を取り出すと小さな箪笥に入れた。
「……小さいけど私の荷物にはぴったりかも」
服は普段着が3着に部屋着が2着と高校の教科書しかない荷物はなんだか寂しくて、だけど解放された感があって清々しい気持ちになった。
『柚葉、なんでだ。何故思うように出来ないんだっ』
『ごめんなさい……っ』
『子どもは葉月だけでいい─︎─︎』
そう冷たい声と冷たい目で私をみた父の姿を思い出して虚しくなる。ここではちゃんとやらなきゃ。
「柚葉ちゃーん! お昼ご飯出来たよ〜」
叔母さんの声が聞こえて時計を見る。もう12時が回っていてそれを見た瞬間にお腹が盛大にお腹が鳴った。
「お腹空いた……」
私はそう呟いてから下に降りる。すると、なんだか美味しそうな匂いが漂っていた。