車から降りると、叔母さんが私の荷物を持ってくれて私は後ろについて追っかける。


「柚葉ちゃん、部屋案内するねぇ。こっちだよ」


 家の中にある階段を登ると3部屋あってその中の奥にある部屋のドアを美里さんが開けた。


「柚葉ちゃんの好み分からなくて、まだ何もないけどまた買いに行こうね」

「いえ……そんな、」

「遠慮しないでいいからね、本当何もないから」


 部屋を見渡すと、本当に何もなかった。あるのは布団と窓。それに窓から見える海の景色だけだ。


「……わ、わかりました」


 私はそう答えるしかない。だって、朝までいた都内にあるマンションの自分の部屋とは全く違うから。


「じゃ、何かあれば下においで。今日はゆっくりしなさいね」

「ありがとうございます」


 叔母さんは部屋のドアを閉めるとすぐに階段を降りる音が聞こえて私は窓のそばに行き窓を開けた。


「海ってこんなに綺麗なんだ……」