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「柚葉ちゃんもよーけ食べりんよ。たくさんあるでね」

「は、はい……いただきます」


 外は暗くなって来た頃、家には植木くんと幸子さんの他に舞美ちゃんに舞美ちゃんのご両親、奈帆ちゃんと奈帆ちゃんのお母さんが集まって来ていた。
 もうこれは宴会……。


「柚ちゃん、ごめんね。突然」

「いや……」

「私たちの親、みんな幼なじみなんだよ。だからたまに集まるんだぁ〜」


 幼なじみ。じゃあ、舞美ちゃんたちは小さい頃からの付き合いってことだよね。だから仲がいいのか。


「やっぱり美優の子だよねぇ……めちゃくちゃ美人さんじゃん」

「そうだらぁ? べっぴんさんじゃんね〜」


 お母さんのことも知ってるんだ……。


「柚葉ちゃん、美優元気?」

「あ、はい……。元気ですよ」


 今も、妹のための習い事の月謝のために元気に働いてる。私が居なくなって楽になったって思ってるよ。


「そうか、良かったぁ。心配してたんだよぉ……そう言えば、なんで柚葉ちゃんは転校してきたの?」

「……っそれ、は」

「東京にいたら、なんも気にすんことないだら? 買い物には困らんし、交通もいいし、やりたいことできるじゃん」