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朝食が終わると今度は昨日掃除の続きだった。


「庭に出しているゴミを分別して捨てに行きます」


「あぁ。すごい量だな」


大きな窓を開けて廊下から庭の様子を見た彰はため息を吐き出した。


庭を埋め尽くしてしまうくらいのゴミの量。


これだけのゴミをよく溜め込んだものだと我ながら呆れてしまう。


「関心している暇はありませんよ。夜までかかっちゃいますから」


蘭は手袋をはめてさっそく庭へ下りて行く。


彰もそれに続いて庭に出た。


窓は年中閉めっぱなしにしてあるから、こうして庭に出ることすら久しぶりなことだった。


自分がどれだけ不健康な生活を続けてきたのか目の当たりにした気分だ。


病気とそれが関係あるとは思わないが、それでも蘭が気にするのは当たり前だと感じられた。


蘭は分別用のゴミ袋を広げながら彰へ視線を向けた。


「ちなみに質問ですけど。このゴミの山分別はしてないですよね?」


聞かれて彰は申し訳ない気分になった。


そしてとても小さな声で「してない」と、答えたのだった。