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翌日、目が覚めたとき一瞬自分自分がどこにいるのかわからなかった。


寝返りをうち、自分の家にはない一枚板のテーブルを見たとき、記憶がよみがえってきて蘭は上体を起こした。


そうだ、ここは彰さんの家だ。


自分が着ているTシャツを見下ろし、そしてギュッと両手で自分の体を抱きしめる。


感じるのは甘い洗剤の香り。


そしてかすかに残っている彰の香りだ。


それを思いっきり吸い込んで、蘭は起き上がった。


今何時くらいだろう?


襖を開けて大きな窓から外を見てみると、すでに明るくなっている。


でも昼にはまだ遠いみたいだ。


毛布をたたんで部屋の隅に片付け、キッチンへ向かう。


昨日のカレーが少しと、炊飯器に残っているお米も少し。


お米は炊きなおすとして、おかずはどうしようか。


さすがに昨日の買い物でポイントは使い切ってしまっているから、買い物に出ることもできない。


困り果てていると足音が近づいてきてキッチンのドアが開いた。


「おはよう」


彰がぶっきらぼうな口調で言った。


蘭は一瞬にして目を輝かせて「おはようございます!」とお辞儀をする。