そう考えて、すぐに思い出した。


おとつい、誘拐される前に小腹が空いてコンビニに入ったのだ。


その時にこのポイントカードをサイフから出して使い、そのままポケットに入れた。


思い出した蘭は笑ってしまいそうになった。


なんてラッキーなんだろう。


たしかこのカードの中にはまだ1000円分のポイントが残っているはずだ。


それだけあればおにぎりくらい食べられる。


そう思い、カードをポケットに戻して彰の部屋へと近づいた。


ノックはせずにそっとドアを開けて中の様子を確認する。


電気が消されて薄暗い部屋の中、彰の規則正しい寝息だけが聞こえてくる。


ぐっすりと眠っているようだ。


蘭はホッと胸を撫で下ろし、玄関へと向かったのだった。