時折、缶やビンが出てきて指を切りそうになりながらも、黙々と作業を進める。


その中に入院案内の資料があり、蘭はつい手を止めてしまった。


彰はあれからまた病院へ行ったのだろうか。


入院手続きや、薬の都合もあるからきっと行っているんだろう。


それでもやっぱり入院はせずに、この家にとどまっているのだ。


これから入院しようとしても、きっともう無理だ。


蘭の両親は行方不明者届けを出してすでにニュースになっている可能性もある。


蘭はギュッと唇を引き結んで、掃除の続きを開始したのだった。