それからまた頭の中は真っ白になり、気がついたときにはベッドの中にいた。


見慣れた部屋。


一度も干していない掛け布団。


クッションが弱くなってきたマットレス。


それらにくるまれて、彰は泣いていた。


こうしている内にだんだん医師の言葉を思い出してきたのだ。


『進行ガン』


『ステージ4』


『治療法はない』


そして彰が一番衝撃を受けた言葉がよみがえってくる。


『余命一ヶ月です』


は?


なんだそれ。


余命一ヶ月?


誰が?


俺……か?