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男が余命宣告をされたのは今から一週間前のことだった。


その日は朝からよく晴れていて心地のいい日だったが、男は体に痛みを感じていた。


その痛みは前から時々訪れるもので、市販の痛み止めを飲むことでやりすごしてきた。


しかし、この日ばかりはどこか様子が違うようだった。


朝起きて、体に痛みを感じた男はサイドテーブルから痛み止めを取り出した。


男がいつも飲んでいて、常備しているものだ。


いつもならその薬を飲んで30分もすれば効果がでてくるのだけれど、今日はいくら待ってみても痛みは取れない。


それどころどんどん悪くなっているような気さえする。


一旦キッチンに立って水を飲んだけれど、とても朝食を食べられるような状況ではなく、仕方なくそのまま自室のベッドに戻ることになった。


横になり、ひとり痛みを我慢しているとスマホがなり始めた。


男の同級生だ。


「はい……」


男は苦しい声を漏らす。