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腹部の痛みを感じて目をあけると、まずは自分のヒザが見えた。


どうやら自分は椅子に座っていてガックリと頭をたれているらしいと気がついて、蘭は顔を上げた。


長い時間無理な体勢でいたらしく、それだけでひどく首や肩が痛んだ。


体のあちこちに痛みを感じて顔をしかめたながら周囲を見回してみると、ここは見たこともない場所だった。


灰色の壁と床。


天井の蛍光灯からはオレンジ色光が降り注いでいる。


しかしこの部屋には窓がなくて、自然光が入り込んできている様子がない。


部屋の真ん中には長い木製のテーブルが置かれているが、食事をするようなテーブルではないとすぐにわかった。


木工などで使われる作業代のようだ。


更に首を動かしてみると右手の奥に階段が見えた。


コンクリートで固められただけの無骨な階段は上へと続いているが、蘭がいる場所からはドアを確認することはできなかった。


更に部屋の中を観察しようとしたとき、ようやく自分の体が拘束されていることに気がついた。


蘭の体はロープで椅子と一体化させられているのだ。