男が無言で蘭を睨みつけていると、蘭は大きく息を吐き出した。


「じゃあ、少し質問をさせてくれない?」


「質問?」


「そう。さすがにあたしだって何もわからないままし死ぬのは嫌だよ。だから、あなたが死にたいと思った理由を聞かせてほしいの」


冷静な口調ではあるが、ようやく被害者らしい言葉を聞くことができた。


男は少し落ち着いて蘭の前に移動した。


そして「そんなもの、お前に話す必要はない」冷たく言い放ち、再び部屋を出たのだった。