「最高だな」


蘭を見上げて彰は笑う。


「路地裏なのに?」


「どこにいたって、蘭がいれば最高だ」


それは蘭も同じだった。


どんな場所にいたって、隣に彰がいればそこは最高の場所になる。


「少し、寝たい」


「うん。いいよ」


「ごめんな。足痛いだろ」


「あたしは平気。ゆっくり眠って」

蘭は彰の頭をなでて優しく声をかける。


そして彰は目を閉じた。