理解すると同時に彰のそばに座り込み、自分の袋の中からペットボトルの水を取り出した。


「水ならあるから、心配するな」


蘭はそれに返事をせず、彰に水を差し出した。


受け取るときに指が触れてすごく熱を持っているのがわかった。


顔が青白いのに、発熱しているみたいだ。


こんな場所にいさせるわけにはいかない。


せめてどこか横になれる場所を探さないと。


しかし、大通りに出れば施設に集まっている報道陣たちに見つかる可能性がある。


どうにか狭い路地を移動して、報道陣のいない道に出ないといけない。